文字を書けるようになってから、毎日娘が届く手紙。
ちょっとの空白があれば、いろんなところに書いてある。
1枚の紙に目一杯書かれている。
「ママ大すき」
それしか書かないの?
ってくらい伝えてくれる。
お手紙入れはすぐパンパンになってしまう。
「もう伝わっているからそんなに毎日書かなくて大丈夫だよ」と言うほどの愛情だ。
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小学生になる前、
「小学生になりたくない」と突然泣いた娘。
わけを聞くと、
「ママのことが大好きなのに、小学生になったら嫌いって言っちゃうかもしれない。本当は思ってなくても言っちゃったらどうしよう。」
あまりの愛情の深さにとても敵わないと降参した。
その心配はよそに、小学生になった今も大好きを伝えてくれる。
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昨日娘がついた嘘。
「ねぇママ。わたしのどこが変わったでしょう?」
「ん?わかんないな、前髪を…分けたとか?
それよりママさ、ちょっとやりたいことがあるのよ。」
「はーい、正解は嘘でした。ママにわたしを見てほしくて嘘をついたんだー。」
弟と妹の面倒をよく見てくれる娘に私は甘えていた。
大好きと伝えてくれる娘に私はあぐらをかいていた。
そしてこの瞬間は戻らないことを忘れていた。
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久しぶりに毎日もらったパンパンの手紙入れを出してみた。
塗り絵の裏には必ず書いてある、
「ママ大すき」
覚えたての文字でたくさんの愛が詰まっていた。
涙が出た。
大人になっても失敗ばかりの私が
こんなに愛されていたこと。
娘がこんなにも伝えてくれていること。
小学生になりたくないと言っていた理由の
「嫌い」をいつか言われてしまうかもしれない。
好きを伝えてくれなくなる日は近いかもしれない。
私にとって素直に伝えることは難しい。
それでも、娘がしてくれたように
愛を伝えられるといいな、と思えた。
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